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Prime Videoとタッグを組んだLG TVの新機能「自動フィルムメーカーモード」が親切だと思う

作る人と見る人のギャップの埋め方。

先月末から、LGが2020〜21年発売の4K・8Kスマートテレビ向けに、とある新機能アプデの配布を始めています。Amazon Prime Videoでフィルムメーカーモードを自動でオンにするという機能なのですが、これ、結構親切だなと思いました。

そもそもフィルムメーカーモードとは、業界団体UHD Allianceが定めたモードで、クリエイターが意図した映像をそのまま見るためのモード。強めに言っちゃうと、最近のスマートテレビに付いてるなんちゃらかんちゃらあれこれモードを全部オフにして、作品そのまま素の映像見ようぜってモードです。

なんでフィルムメーカーモードができたのかというと、問題はフレームレート。多くの映画は24コマ/秒で撮影されていますが、最近のテレビの高位モデルはもっと高いレートでの映像再生が可能になっています。で、足りないコマ数はどうするかというと、24コマの映像からコマとコマの間を作るモーションスムージング技術で補っているわけです。話だけ聞くと良いことに聞こえますが、実はこれが視聴者にはウケが悪いようで…。映像ヌルヌルなのはいいけれど、ヌルッフンヌルッフンなのはきついなと。で、フィルムメーカーモードの登場です。映画制作側が意図した映像を、補間することなくそのまま見るモード。

Prime Videoとタッグを組んだLG TVの新機能「自動フィルムメーカーモード」が親切だと思う

LGがフィルムメーカーモードを設定オプションに加えたのは2020年。ただ、ユーザーは自分でこれをマニュアル設定する必要がありました。テレビの設定ってただでさえ面倒&わかりにくいので、なかなかこれをやる人はいない。しかも、各メーカーでモード名が違ったり、あるモードをオフにしてフィルムメーカーモードになるのか、〇〇モードをオンにすることでフィルムメーカーモードになるのかもわかりにくいという問題も。

今回のLGのアプデは、自動でフィルムメーカーモードを発動してくれるという、面倒かつ複雑な設定を回避してくれる実に親切なものです。ただ、アマゾンとタッグを組んだ機能なので、残念ながら自動発動されるのはPrime Videoコンテンツのみとなります。LGいわく「フィルムメーカーモードは、映画を不自然に見せてしまう、監督が意図した映像とは異なる絵を再生してしまう可能性のある映像プロセス設定をすべて自動でオフにし、映画オリジナルのアスペクト比、色、フレームレートを維持して、より本物に近い映画体験を提供することができます」。

技術が進化する上で生まれるギャップを埋める技術。複雑ながらもシンプル、でも、複雑な話ですね。

Source: LG Newsroom