• ブログ
  • 「あつまれ どうぶつの森」レビュー・ソロプレイ編 - GAME Watch

「あつまれ どうぶつの森」レビュー・ソロプレイ編 - GAME Watch

 Nintendo Switch「あつまれ どうぶつの森」が今までの「どうぶつの森(以下、ぶつ森)」と違うのは、すべてたぬきちの管理下でゲームが進むという点である。

 今作「あつまれ どうぶつの森」は何もない無人島での暮らしを気ままに楽しむスローライフゲーム。かつていちタヌキ商店の店主だったたぬきちは不動産業「たぬきハウジング」創業を経て、今作では「たぬき開発」といういち企業の社長として登場する。“不便さを楽しむ無人島への移住プラン”という殺し文句を武器にパッケージを販売し、無人島の生活では住民たちに「住みやすい環境」を提供する(結局、住民自身に整えさせているが)。

「たぬき開発」社長のたぬきち。ビジネスの電話だとわかった途端にテンションを上げている移住直後、案内所にいるたぬきち。社長、まさか暇な時間、パッティングの練習してました?! すっかり社長らしくなって! よーく見ると、奥のダンボールの上、ゴルフ雑誌っぽいものが見える。社長、すっかりハマっておりますな

 移住後のサポート、家の改築などはたぬきちがやってくれるが、もちろん費用は住民持ち。住みやすくなった島にさらなる移住者が現われれば、開発は加速度的に進んでいく……。行き着く先は、きっと高級リゾート化。どう考えても、島の開発が進むほどたぬきちの懐が潤う恐ろしいビジネスモデルであるが、そのプロデュース力をまざまざと見せつけられるのが「あつまれ どうぶつの森」である。

 やや早口でたぬきちの所業について語ってしまったが、さらに恐ろしいのは無人島生活が「居心地良すぎ」という点である。たぬきちはいつも笑顔で接してくれるし、まめきちとつぶきちが拙いながらも一生懸命に接客してくれる(かわいい! ずるい!)のでついつい気を許してしまう。周りの住民も、挨拶すれば絶対に返事をしてくれるし、ときにプレゼントをくれるいい人たちばかり。つまるところ、こんなに素晴らしい生活を提供してくれるたぬきち社長には感謝しかないのです(ニコニコ)。

移住が終わったー、というところで即座に請求書を渡してくるたぬきち一生懸命でかわいい弟子のまめきち、つぶきちがかわいいのですべてを許せるリアクションを使ってこんな写真を撮ってみた。かわいくないですか?

 今作ではプレイエリアの範囲が広がり、さらに地形には段差もできた。ここに特定の行動で溜まる「マイル」システム、素材から家具などを作り出す「DIY」などが加わり、プレイの幅をグッと広げている。

 中でも最も驚くべきは、小物類の細かい作り込みである。家具や小物アイテムはただ用意されているのではなく、木材なら木材、金属なら金属、機械なら細かい配線などが精緻な質感をもって再現されている。その質感はビジュアルから手触りが伝わってくるようであり、どれもじっくり眺めてしまうような魅力がある。

 たぬきちの思惑通りと心のどこかで感じながらも、むしろ積極的に無人島開発を進めてしまう……。本稿では、特にソロプレイにフォーカスし、そうした「あつまれ どうぶつの森」の魅力をもう少し具体的に見ていきたいと思う。なおマルチプレイについては別記事で手触りをご紹介しているので、そちらもご覧いただきたい。

たぬき印の缶飲料を飲む社長。本作は細かい演出が効いているさらなる移住者が現われて喜ぶ社長伸びをする社長とんでもない額を請求する社長