2018年10月10日に同社のPixel 3/3 XLが発表され、約半年が経った。前評判は高かったものの、高価格だったためか、筆者が実際に使っている人を街で見かけたことは今のところない。
その意味で、「もう少し安ければ……」と誰もが思っていることを実現したのが、今回ご紹介するPixel 3aだ。税込で48,600円という価格は、同クラスのライバル機が吹き飛ぶハイコストパフォーマンスに仕上がっている。
おもにPixel 3から削られているものは、SoCがSnapdragon 845からSnapdragon 670へ、128GBモデルがなく64GBモデルのみ、前面カメラの広角側なし、IP68からIP52、Qi非対応、ソフトタッチガラスからポリカーボネート製へ(ただしユニボディになった)、USB 3.1 Gen 1からUSB 2.0へ(Type-Cは同じ)、Pixel Visual Core非搭載など。逆に増えたのが3.5mmイヤフォンジャックだ。
つまり(多少サイズ/画素数が違うものの)有機ELディスプレイ、背面カメラ性能、FeliCa対応はそのまま継承。リリース情報を見て、多くの人が「お!」っと思ったのではないだろうか。
製品のおもな仕様は以下のとおり。
Google「Pixel 3a」の仕様 | |
---|---|
SoC | Snapdragon 670(オクタコア、2GHz、Adreno 615 GPU内蔵) |
メモリ | 4GB/LPDDR4X RAM |
ストレージ | 64GB |
OS | Android 9 Pie |
ディスプレイ | 5.6型OLEDディスプレイ2,220×1,080ドット |
ネットワーク | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 LE、NFC/FeliCa |
SIM | Nano SIMカードスロット×1 |
LTE(※3CA対応) | バンド1/2/3/4/5/8/12/13/17/18/19/21/26/28/38/41 |
3G | バンド1/2/4/5/6/8/19 |
GSM/EDGE | 850/900/1,800/1,900MHz |
インターフェイス | USB2.0(Type-C)、3.5mmイヤホンジャック、ステレオスピーカー |
センサー | 近接、周辺光、加速度、ジャイロ、磁力、指紋センサー、気圧 |
前面カメラ | 800万画素(f/2.0) |
背面カメラ | 1,220万画素(f/1.8、SONY IMX363) |
サイズ/重量 | 70.1×151.3×8.2mm(幅×奥行き×高さ)/147g |
バッテリ | 3,000mAh |
防水防塵 | IP52 |
本体色 | Clearly White、Just Black、Purple-ish |
価格 | 48,600円 |
SoCはSnapdragon 670。8コアで最大2GHz、GPUとしてAdreno 615を内蔵している。ここが一番大きな変更点となる。
後述するベンチマークテストを参考にして欲しいが、Snapdragon 845と比較すると3Dゲーム系は厳しいものの、ソーシャルなどネット中心であれば、まったく問題ない性能だ。
メモリはLPDDR4Xの4GB。ストレージは64GBモデルのみ。microSDカードなどの外部メディアは非対応なので、大量に楽曲や動画などをローカルに保存するのは難しい。
OSはAndroid 9 Pie。OSアップデートに関しては、Pixelシリーズだけあり3年間保証されているのもGoodだ。
ディスプレイは5.6型有機ELディスプレイで解像度は2,220×1,080ドット。Pixel 3は同じ有機ELでも5.5型2,160x1,080ドットだったが、ここは微々たる違いだ。それよりも5万円未満の機種で有機ELなのを驚くべきだろう。
ネットワークは、IEEE 802.11 a/b/g/n/ac無線LAN、Bluetooth 5.0 LE、NFC/FeliCa。SIMロックフリー機でおサイフケータイ対応なのはポイントが高い。SIMはNano SIMカード1枚のみ。対応バンドは表のとおりだ。ミドル/ローレンジでもデュアルSIMでDSDV/デュアルVoLTE対応機種があるので、ここはマイナスポイントとなるだろうか。
インターフェイスは、USB 2.0 Type-C、3.5mmイヤフォンジャック、ステレオスピーカー。先のとおり、Type-CながらUSBが3.1 Gen 1から2.0へ変更され、3.5mmイヤフォンジャックを搭載する。センサーは近接、周辺光、加速度、ジャイロ、磁力、指紋センサー、気圧に対応。個人的には3.5mmイヤフォンジャックありは嬉しい変更点となる。
カメラは前面800万画素(f/2.0)、背面1,220万画素(f/1.8、SONY IMX363)。前面の広角800万画素がなくなり、f/1.8からf/2.0へとレンズも若干暗くなっている。ただしメインの背面カメラは機能も含め同じ。Pixel 3のカメラは評判が良いだけに、これは期待大だ。
サイズは70.1×151.3×8.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量147g。バッテリは3,000mAh。防水防塵としてIP52に対応する。Pixel 3はIP68だったが、何もないよりはマシだろう。
本体色はClearly White、Just Black、Purple-ishの3種類。そして、これだけの機能を持ちながら48,600円と驚きの戦略的プライスとなっている。
なお上位モデルのPixel 3a XLは、パネルサイズ/解像度が6.0型2,160x1,080ドット、バッテリ容量3,700mAh以外は同じで、税込6万円だ。
前面。パネル中央上に前面カメラ。いわゆる狭額縁でもノッチ付きでもない。ナビゲーションはソフトウェア式背面。Pixel 3と違い筐体はポリカーボネート製。ユニボディで切れ目がない。左上に背面カメラ。中央上に指紋センサー左/下。左側面にNano SIMカードスロット。下側面にスピーカーとType-C右/上。右側面に電源ボタンと音量±ボタン、上側面に3.5mmイヤホンジャックNano SIMスロット付近。Nano SIMカードスロットが1つ。microSDカードなど外部メディアは使えない付属品。USB式ACアダプタのサイズ約50×40×25mm(同)/重量65g。出力は5V/3Aと9V/2A。Type-C/Type-Cケーブル。Type-C変換アダプタ。イジェクトピン。イヤホンは付属しない重量は実測で147g手元に届いた2種類のケース。Carbon、Fog、Seascapeの3種類あり、そのうちのCarbon(左)とSeascape(右)。柔らかなマイクロファイバー製で、汚れが目立たず滑り難い。重量は実測で56g装着したところ。それなりに厚みと幅が増すが、手に馴染むiPhone Xとの比較。幅は少し狭く、厚みはほぼ同じ、長さは下のフチの分長い。パネルの最大輝度はほぼ同じだが、色温度が少し低め(というよりiPhone Xが高め)筐体はポリカーボネート製だ。届いたのはJust Blackで、以前Pixel 3を触ったときと雰囲気はほとんど変わっていない。シンプルで綺麗だ。サイズや厚み、重量なども持った感じはちょうど良い。昨今、ミドルレンジはピカピカ系が多いので、個人的には好みとなるだろうか。
前面は、パネル中央上に前面カメラ。いわゆる今どきの狭額縁でも、ノッチ付きでもない。ナビゲーションはソフトウェア式だ。左側面にNano SIMカードスロット。下側面にスピーカーとType-C。右側面に電源ボタンと音量±ボタン、上側面に3.5mmイヤフォンジャック。背面は、左上に背面カメラ。中央上に指紋センサーを配置。
付属のUSB式ACアダプタは、サイズ約50×40×25mm/重量65gで、出力5V/3A、9V2A。15分の急速充電で7時間利用可能となる。
5.6型有機ELディスプレイは2,220×1,080ドットあるのでppi(441ppi)は十分確保されており文字などはスムーズ。明るさ、コントラスト、発色、視野角も十分。設定/ディスプレイ/カラーで、ナチュラル/ブースト/アダプティブ(標準)と好みの発色に切替可能だ。
発熱は、動画連続再生での長時間駆動やカメラの連続撮影などを行なっても、とくに変化なし。サウンドは、このサイズながら横位置でのステレオスピーカーで、ちゃんと筐体中央がセンターになる。基本中域中心だがバスドラの音がドスンと聴こえパワーもある。イヤフォン出力は、音色は同系統だが、パワーが若干不足気味だろうか。Bluetoothのオーディオコーディックは、SBC/AAC/aptX(HD)/LDACに対応している(開発者オプションで確認)。
ケースも同時に届いたので試したところ、カジュアルなルックスで雰囲気もあり、また滑り止めにもなるのでなかなか重宝する。ただし厚みや幅が結構増すので、素のままで使った時のスリム感も捨て難い。
カメラに関してはこの後まとめてあるので参考にして頂きたいが、全般的に価格を考えれば十分以上に仕上がっている。