2021年11月23日、次のような写真付きのツイートが投稿され、いま話題となっている。
写真は、「天狗が『山盛りの卵を全部食べろ』と人々に強要」しているところらしい。強要された人間は「全員が『無理です』と断る」という。
そんな「奇妙な神事」を投稿者は見学してきたそうだ。
「大魔王:影市マオ」(@daimaohgun)さんが投稿したツイートには、2万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散している(11月23日現在)。
いったいこれは何だろう?
Jタウンネット記者は、投稿者「大魔王:影市マオ」さんと、この神事を行う鷲宮神社(栃木県栃木市)に詳しい話を聞いた。
Jタウンネット記者はまず投稿者・影市マオさんに、写真撮影時の状況を聞いてみた。
天狗が、無理やり日本酒を飲ませた後、山盛りの卵を強要するという、相当ムチャな展開だ。
影市マオさんはさらに詳細なレポートをしてくれた。
鷲宮神社の公式ウェブサイトでは「(頂戴人たちは)大きな器に山と盛られた生卵を、一つ残らず食べつくすのじゃと責め立てられます」と説明されているが、天狗はかなり強く卵をオススメしてくるようだ。
しかし頂戴人たちはどんなにその魅力をアピールされても卵を口にせず、「有り難きこの卵は神様にお供えいたします」といって辞退するそう。その様子を見た天狗たちは鷲宮神社の神様に、人間たちの心がけの良さを報告する、ということらしい。
山伏が山盛りの飯を食べることを強要する「強飯式」という儀式は聞いたことがあるが、「強卵式」というのは初耳だ。なぜ「卵」なのだろう?
Jタウンネット記者が、鷲宮神社に電話で聞くと、宮司の菱沼至広(ひしぬま・よしひろ)さんが答えてくれた。
鷲宮神社へ御参りをする時、特に御祈願をする時には、鶏肉や卵を断たなければならないという故事に因んだ儀式ということだ。
「実は私も、鶏肉や卵は、常に慎んでおります」と、菱沼宮司は語る。
鶏の唐揚げや卵焼き、オムレツが食べられないとは、とても厳しい戒律である(筆者にはとても無理だ)。
それだけに鷲宮神社への参拝はご利益があるのかもしれない。
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