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ヘルステック12分野の最新トレンド。遠隔医療やAI画像診断、メンタルヘルス領域まで

※本記事はTECHBLITZが配信した「Health Tech Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらまでお問い合わせください。

<目次>・パーソナライズ医療にも現実味・ヘルステック、12の注目カテゴリー・1. 遠隔医療サービス・2. AIを活用した画像診断・3. 医療記録のデジタル化・4. 処方箋薬のデリバリー&薬の飲み忘れ防止・5. 高齢者の見守り・6. アクセシビリティ・7. ウェアラブル&ヘルストラッキング・8. 自宅検査サービス・9. メンタルヘルスケア・10. 従業員向けヘルスケアサポート・11. FemTech・12. フィットネス

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パーソナライズ医療にも現実味

ヘルステック、12の注目カテゴリー

1.遠隔医療サービス

98point6AI、テキスト、医師の力を組み合わせリモート診断を提供

ヘルステック12分野の最新トレンド。遠隔医療やAI画像診断、メンタルヘルス領域まで

所在地US
創設年2015年
資金調達額累計$247.3 M / Series E
出資者Goldman Sachs, L Catterton, Activant Capital, etc.
URLhttps://www.98point6.com
AIを搭載したテキストベースのモバイル・プラットフォームを介して、医師が患者の診断を行うオンデマンドのデジタルプライマリケアサービス。ビデオを用いた診断サービスを提供する競合が多い中、テキスト情報を重視(必要に応じて写真、音声、ビデオ機能も利用)。テキストベースであるため自宅だけでなく職場や外出先でも医師に相談をしたり、処方箋を依頼することができる。Image : 98point6 HPMDBoxビデオチャットを通した医師による遠隔診断
所在地US
創設年2016年
資金調達額累計$15.3 M / Seed
出資者Capital Factory, Micro Ventures, Dreamit Ventures
URLhttps://www.mdbox.com
専用アプリを通し、風邪やインフルエンザ、副鼻腔炎、避妊、尿路感染症、発疹、アレルギー、嘔吐、下痢など緊急性の高くない症状を医師に相談することができる。高額請求を恐れ医療機関訪問を躊躇しがちな保険未加入者の医療アクセス拡大を促したいという思いから、利用料 / 診察料を一律$49.95に設定。Image : MDBox HP

2.AIを活用した画像診断

Viz.aiAIを活用した脳卒中の画像解析

所在地US
創設年2016年
資金調達額累計$80.6 M / Series B
出資者GV, Kleiner Perkins, CRV, Threshold, etc.
URLhttps://www.viz.ai
ディープラーニング技術を活用して脳画像を解析し、脳卒中の疑いの早期発見や発生時の正確な情報を医療従事者に提供するトリアージ(治療の優先度の決定)診断プラットフォーム。脳卒中発生時はいかに迅速に血栓を取り除けるかが回復への、そして死や後遺症を回避するための鍵となる。救急車内で脳画像をスキャンし、専門医に送信することで、病院に搬入後直ちに治療に入れるよう受入体制を整えることができる。Image : Viz.ai HPExoポータブル超音波画像診断装置
所在地US
創設年2015年
資金調達額累計$87.6 M / Series B
出資者Applied Ventures, TDK Ventures, Intel Capital, Sony Innovation Fund,etc.
URLhttps://www.exo.inc/
圧電マイクロマシン超音波トランスデューサーと呼ばれる超音波技術を用いた高画質な小型超音波画像診断装置を開発。ハンドヘルド型のポータブル機器のため、集中治療室や救急医療の現場でも利用しやすい。AI搭載クラウドプラットフォームで臨床関連データを分析し、医師による診断、意思決定に必要な洞察を提供する。 Image : Exo HP

3.医療記録のデジタル化

PatientPing医療機関や介護施設の間で過去の治療経緯を共有

所在地US
創設年2013年
資金調達額累計$101.2 M / Series C
出資者Andreessen Horowitz, GV, SV Angel, etc.
URLhttps://patientping.com
患者の治療履歴や薬の服用状況などの情報をホームドクター、総合・救急病院、医療介護施設などの間でリアルタイムに共有、可視化するコラボレーション・プラットフォーム。情報連携により、医療従事者やケアプロバイダーは過去の治療ヒストリーを確認したうえで、治療にあたったり、ケアプランを策定したりすることができる。Image : PatientPing HPSUKI医師のための音声対応AIデジタル・アシスタント
所在地US
創設年2016年
資金調達額累計$40.0 M / Series B
出資者Venrock, First Round Capital, Marc Benioff , etc.
URLhttps://www.suki.ai
医療現場での利用を目的に開発された、医師のためのAI音声アシスタント。医師の声を聞き取り、カルテの確認、新たな診察内容の記入、処方箋の作成などを自動的に処理。医療用業務ソフトウェアとの連携もサポート。カルテの記入にまつわる作業をデジタル・アシスタントに任せることで、診察中、患者との対話に集中できるようになるという利点もある。Image : SUKI HP

4.処方箋薬のデリバリー&薬の飲み忘れ防止

Medly Pharmacyデジタル薬局による処方薬の同日配達

所在地US
創設年2017年
資金調達額累計$100.0 M / Series B
出資者Volition Capital, Greycroft, Lerer Hippeau, etc.
URLhttps://medly.com
処方薬を無料で同日配達するデジタル薬局。患者が診療所で、受け取り薬局にMedly Pharmacyを指定するだけで、アプリ経由(電話も可)で薬の配達スケジュールを指定することができる。薬局で待つことなく、その日のうちに自宅で処方薬を受け取れ、配達状況のトラッキングも可能。現在、実店舗を持つニューヨークを中心に6州でサービスを展開、将来的には全国に拡大していく計画。Image : Medly Pharmacy HPPopit Medical薬の飲み忘れを通知
所在地Finland
創設年2016年
資金調達額累計$1.2 M / Seed
出資者Amor & Labor, Butterfl y Ventures, Capital A Partners
URLhttps://popit.io
錠剤の飲み忘れを防止する小型電子デバイス「Popit Sense」を開発。錠剤が梱包されるPTPシートに機器をクリップのようにとめるだけ。小型デバイスに搭載されたセンサーが、薬の開封や服用個数を感知、専用アプリに自動記録するほか、設定された時間に薬の服用が確認できない場合には本人や家族にアラートを発し、飲み忘れを防止する。Image : Popit Medical HP

5.高齢者の見守り

Vayyar ImagingRF技術でプライバシーを守りながら転倒を検知

所在地Israel
創設年2011年
資金調達額累計$188.0 M / Series D
出資者Bessemer Venture Partners, ClalTech, Battery Ventures, etc.
URLhttps://vayyar.com
高度なRF(Radio Frequency)技術を用い、物体の背後や内部を透視し、高解像度の4Dマッピング画像をリアルタイムで作成する技術を高齢者の見守りに応用。カメラによる監視も、ウェアラブル機器を常時装着する必要もなく、高齢者のプライバシーと利便性に配慮。壁を透過するRF技術により、センサーが設置された部屋とは別の場所(浴室やトイレなど)での転倒も検知する。バイタルサインのモニタリングも可能。Image : Vayyar Imaging HPIntuition Robotics高齢者の孤独を解消するコンパニオン・ロボット
所在地Israel
創設年2015年
資金調達額累計$58.0 M / Series B
出資者iRobot, Toyota AI Ventures, Sompo Holdings, Samsung NEXT,Bloomberg Beta, etc.
URLhttp://www.intuitionrobotics.com
高齢者向けアシスタントロボット「ElliQ」を開発。カメラとタブレットが搭載されており、家族や友人との対話、音楽やニュースの再生、受信メッセージの読み上げ、質問への回答など、オンライン情報の利用をサポートする。薬の服用のリマインドにも対応。また、AIがユーザーの行動や嗜好を学習し、適切なアクティビティを提案するなど能動的に高齢者と対話。高齢者の孤独解消や積極的な活動を後押しする。Image : Intuition Robotics HP

6.アクセシビリティ

OrCam文字を読み上げる、メガネ装着型ウェアラブル

所在地Israel
創設年2010年
資金調達額累計$86.4 M / Series Unknown
出資者btov Partners, Intel Capital, Clal Insurance Enterprises Holdings, etc.
URLhttps://www.orcam.com/en
AIと高度な画像認識技術による文字の自動読み上げで、難読症や視覚障害の人々を支援するウェアラブル・デバイス。メガネのつるに装着すると、本や名刺、メールなどの活字を認識し、耳元のスピーカーを通して読み上げる。色や商品の識別もできるほか、人の顔を100人分まで登録可能。対面相手を認識し名前を教えてくれる。世界30ヶ国、日本語を含む20以上の言語に対応。Image : OrCam HPWhisperAIと機械学習で耳の不自由な人をアシスト
所在地US
創設年2017年
資金調達額累計$35.0 M / Series B
出資者Sequoia Capital, First Round Capital, IVP etc.
URLhttps://whisper.ai
AIと機械学習を用い、不要な音をリアルタイムに分離したうえで必要な音声だけを耳元で「ささやく」聴覚アシスト装置。ポケットサイズのWhisper Brainがリアルタイムで周囲の雑音を分離、最適化された音がイヤーピースへ送信される仕組み。デバイスは補聴器の専門店経由で、サブスクリプションサービスの形で提供される。サブスクリプション期間中、最新のソフトウェアが常時アップデートされ、時代遅れの補聴器をつけ続ける必要がなくなる。Image : Whisper HP

7.ウェアラブル&ヘルストラッキング

ŌURAバイタルデータを取得するスマートリング

所在地Finland
創設年2013年
資金調達額累計$48.3 M / Series B
出資者Gradient Ventures, Forerunner Ventures, MSD Capital, etc.
URLhttps://ouraring.com
心拍、体温、動きをモニタリングし、ユーザーの睡眠状態や健康の改善を支援するスマートリング。指輪の内側には、赤外線LED、NTC温度センサー、3D加速度計、ジャイロスコープなどが組み込まれている。指には多くの動脈や毛細血管があり信頼性の高いデータが得られるほか、肌に常時ぴったりと密着させることができるため、高い測定精度を実現できるという。Image : ŌURA HPSiren糖尿病患者をサポートする「スマートソックス」
所在地US
創設年2015年
資金調達額累計$30.9 M / Series B
出資者Founders Fund, Khosla Ventures, DCM Ventures, 500 Startups, etc.
URLhttps://siren.care
糖尿病患者の健康状態をトラッキングできる「スマートソックス」を開発。マイクロセンサーが埋め込まれた繊維素材のソックスで、患者の足の温度をモニタリング。炎症の兆候や体温の変化を検知すると、ユーザーのスマホアプリや担当医師へアラームが発せられる。利用には医師の処方が必要となる。ソックスは洗濯も可能。Image : Siren HP

8.自宅検査サービス

Vivoo自宅でできる尿検査キット

所在地US
創設年2018年
資金調達額累計$2.5 M / Seed
出資者Draper Associates, Bayer Pharmaceuticals, Techstars, 500 Startups,etc.
URLhttps://vivoo.io
自宅で簡単に尿検査による健康診断を行うことができるキットをサブスクリプションで提供。尿をかけたステック型の検査シートを専用アプリでスキャンするだけで、体内の水分量、尿のpH値、ケトン体、尿路感染症や肝機能、腎機能などに関する指標が示されるほか、パーソナライズされた栄養や生活習慣のアドバイスが提供される。Image : Vivoo HPEverlyWell食物アレルギーや代謝など複数の自宅検査キットを開発
所在地US
創設年2015年
資金調達額累計$325.0 M/ Series D
出資者Lux Capital, BlackRock, Highland Capital Partners, NextGen VenturePartners, etc.
URLhttps://www.everlywell.com
アレルギー、食物過敏症、甲状腺、ビタミンD値、代謝、コレステロール値、不妊、性感染症など、様々な検査キットを製造。自宅でサンプルを採取後、ラボへ送付。認定ラボでの検査後、数日で結果を受け取ることができる。2020年には、新型コロナウイルスの在宅検査キットもラインアップに追加。Image : EverlyWell HP

9.メンタルヘルスケア

Calmメンタルヘルスの改善をうながす瞑想アプリ

所在地US
創設年2012年
資金調達額累計$218.0 M / Series C
出資者Lightspeed Venture Partners, Insight Partners, Goldman Sachs AssetManagement, Marc Benioff , etc.
URLhttps://www.calm.com
世界中で深刻化する精神的ストレス、それに起因するうつや不眠症などの症状を軽減、予防するとともに、メンタルヘルスの強化を図るスマホアプリ。音楽、映像、ナビゲーション付きの瞑想プログラム、ストレッチングのビデオレッスン、専門家によるマインドフルネスの指導など、多岐にわたるコンテンツを提供。法人向けのサービスもある。Image : Calm HPWoebot HealthAIチャットボットによるメンタルサポート
所在地US
創設年2017年
資金調達額累計$22.8 M / Series A
出資者AI Fund, New Enterprise Associates, Jazz Venture Partners, etc.
URLhttps://woebothealth.com
AIと自然言語処理技術、認知行動療法の知見をベースに作られたチャットボットとの対話を通してメンタルヘルスの改善を図ることのできるアプリ。フレンドリーで思いやりのある会話を通して、うつ症状や不安症などメンタルヘルスの問題を抱えるユーザーの気分を定期的にチェックし、変化を把握、分析する手伝いをするとともに、日常的なストレスを軽減するテクニックを提案。人間の心理療法士とは違い、いつでもどこでも必要な時に利用できる。Image : Woebot Health HP

10.従業員向けヘルスケアサポート

Hello Heart高血圧や心疾患予防のための健康アプリ

所在地US
創設年2013年
資金調達額累計$23.2 M / Series B
出資者Blue Run Ventures, Khosla Ventures, Maven Ventures,Resolute Ventures, etc.
URLhttps://www.helloheart.com
企業の従業員向けにワイヤレス血圧計を配布し、血圧やその他のヘルス関連データを最新の行動科学と臨床科学をベースに分析、健康改善のヒントをアプリ経由でリアルタイムに提案する。血圧計のほか、血糖計や各種ヘルストラッカーと連動させ、高血圧対策だけでなく、糖尿値やコレステロール値、肥満、ストレス値の把握を通して、広く健康改善のためのアドバイスを提供。Image : Hello Heart HPHinge Healthリモートでフィジカルセラピーを提供
所在地US
創設年2015年
資金調達額累計$426.1 M / Series D
出資者Atomico, Bessemer Venture Partners, Insight Partners, etc.
URLhttps://www.hingehealth.com
背中や腰など慢性的な体の痛みにフォーカスしたオンラインフィジカルセラピー。現場で働く従業員の腰痛や関節痛による欠勤、離職は、雇用主にとっても大きなコストになっている。ユーザーにはウェアラブルセンサーとタブレットコンピュータが配布される。痛みのある箇所にパッドを装着し、週に3、4回パーソナルコーチとのオンラインセッションを受けることができる。Image : Hinge Health HP

11.FemTech

Carrot Fertility不妊治療を企業の福利厚生プログラムへ

所在地US
創設年2016年
資金調達額累計$39.2 M / Series B
出資者Founders Fund, CRV, Y Combinator, etc.
URLhttps://www.get-carrot.com
法人企業の福利厚生に不妊治療プログラムを組み込むためのプラットフォームを提供。企業は、心身そして経済的負担の大きい不妊治療をサポートすることで、従業員のリテンションに結びつけることができる。従業員は、専用のデビットカードを利用して提携先の医療機関で治療を受けられる。保険会社とのやりとりや支払いなど煩雑な管理業務は同社が引き受け、顧客企業の負担も軽減。現在50か国以上、2,700の医療機関と提携。各国の法規制や医療制度に合わせてサービスを展開している。Image : Carrot Fertility HPinne唾液からホルモンの変動をトラッキング
所在地Germany
創設年2016年
資金調達額累計$8.0 M / Series A
出資者Blossom Capital, Monkfi sh Equity, etc.
URLhttps://www.inne.io
毎日一定の時刻に唾液を採取し、自宅でホルモン値をトラッキングすることのできる小型デバイスを開発。専用アプリ上で月経周期にともない変動するプロゲステロンなどのレベルを可視化。妊娠しやすい、あるいは妊娠しにくいタイミングを把握することができる。生理日や基礎体温を入力して月経周期を自動計算する既存のアプリよりも正確かつ簡単に排卵のタイミングを確認することができるという。Image : inne HP

12.フィットネス

VAHAAIを活用したフィットネス用ミラー型デバイス

所在地Germany
創設年2019年
資金調達額累計$29.6 M / Seed
出資者Porsche Ventures, Global Founders Capital, HV Capital, etc.
URLhttps://vaha.com
AI搭載のミラー型デバイスとオンライン・フィットネスプログラムを提供。ミラーには、カメラ、スピーカー、マイクが内蔵され、双方向の通信が可能。筋力や有酸素運動、ダンス、ボクシング、ヨガ、瞑想など多岐にわたるコースが用意され、世界中の人気インストラクターから指導を受けることができる。デバイスはユーザーの動きや心拍数をリアルタイムに把握。AIがデータを分析、それぞれのトレーニング目標の達成をサポートする。Image : VAHA HPStravaサイクリングやジョギングをより楽しむためのソーシャルアプリ
所在地US
創設年2009年
資金調達額累計$151.9 M / Series F
出資者Sequoia Capital, TCV, Sigma Partners, etc.
URLhttps://www.strava.com
アスリートのためのトラッキング&ソーシャルアプリ。スマートフォンやスマートウォッチを利用し、距離や標高、ルート、心拍数や消費エネルギーなどを記録し、自身のパフォーマンスを分析することができる。ソーシャル機能がついており、ジョギングの途中で撮影した画像をアップしたり、友人やフォロワーの間でデータを共有してコメントを残したり、チームやグループ内で記録を競い合うなど、楽しみながら運動を継続できる。Image : Strava HP

※紹介している企業情報は、「Health Tech Trend Report」制作当時のものです。※本記事はTECHBLITZが配信した「Health Tech Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらまでお問い合わせください。

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