開発者じゃなくても楽しみなWWDC。
今年もAppleのソフトウェア開発者向けイベント、WWDC(Apple Worldwide Developers Conference)の季節がやってまいりました。
WWDCでは、デベロッパーとして登録した開発者むけに、さまざまなセッションや個別の1on1相談、フォーラムやラウンジと行った交流の場が用意されますが、一番最初のキーノート(基調講演)は一般ユーザーでも見られる形で配信されます。
キーノートでは各種OSの新機能や、開発者向けのツールの発表がメイン。でも、ハードウェアがお披露目されることもあるんですよね。たとえばそう...MacBook Proの新モデルとか登場したりしませんかね!
WWDC21
Join the Apple worldwide developer community for an all-online WWDC21.
https://developer.apple.com/wwdc21/
キーノートは月曜から火曜にかけての夜、6月8日の午前2時からスタート。Appleの特設サイトでチェックできます。配信には日本語字幕がついているので、英語わかんなくてもダイジョブデース。
ただいま準備中...日本語字幕が欲しい人は、右下のアイコンから日本語字幕を選びましょう。
デベロッパーたちのコメントではじまりました!
以下、デベロッパーたちから公募したというオープニングムービーのアイデア集。
デロリアンからティム・クックが登場するとか...
アニメとか...
SF映画...
『ウェストサイド物語』風のミュージカルとか...
フェデリギとティムのロックステージ...
まあ、どれも没(?)なんですけどね。
デモが終わってティム登壇~。
拍手でティムを迎えるのは...観客席いっぱいのミー文字!
WWDCのキー画像、これだったんですね。
まずはiOSから!
クレイグ・フェデリギによるiOS 15の新機能紹介です。
ポイントは4つ。1つめは「コネクト」。FaceTimeにスペ―シャルオーディオってのが加わって、話し手の方向までわかるみたい。
2つめはマイクの音質強化。背景音のノイズをカットして音声をクリアに届けたり、逆に「ワイドスペクトラム」で周囲の音をリッチに届けたりできる機能 。
3つめはグリッドビュー 。今風のビデオ会議っぽい。背景ぼかしとかも追加されます。
FaceTimeのセッションをイベントとしてカレンダー作って、みんなでいっせいに集まれる...まあZoomとかのFaceTime版です。ブラウザからも参加できるんで、WindowsやAndroidの人ともFaceTimeできそう。
4つめはシェアビュー。友だちと一緒に音楽聴いたり動画を視聴したり、画面シェアしたりできるやつですね。AppleMusicで再生ボタンおしてFaceTimeでシェアできる。 その名もSharePlay。
あーこれは便利だわ~
API公開パートナーのリストもあります(Netflixはなし)。
ピクチャー・イン・ピクチャーでゲーム画面中もシェアできて、みんなでわいわい話しながらゲームをプレイする...なんて使い方も紹介されていました。
Messagesのデモ中。 なんかFacebookのタイムラインみたい 。
この手のチャットツールでは写真やニュースのコンテンツをよく共有しますけど、それらをMessageのなかで見るんじゃなくて、対応するアプリ(たとえばNews)で「あとで見る」っぽくチェックすることができます。
はい、お次は通知。 アイコンがデカくなりました 。お手元のiPhoneと比べてみて!
自分が選んだ時間帯に通知が届く「通知サマリ」。ここには人からの通知は含まれていません(ここは人優先のAndroidと思想違うかな)。
仕事中や食事中は 「取り込み中」と表示される機能も加わりました。
「Focus」で欲しい通知だけに絞ったり。たとえば、仕事中はSlackとメールだけでYouTubeの通知をカットしたりできます。
Live Text。あ~これはカメラをかざすと情報参照できるやつですね。Googleレンズ的な。
写真でもスクショでも、テキストをさっと読み込んでコピペしたり、看板の表示から電話をかけることができます(なお日本語はまだ未対応...)。
写真に写った植物や動物の情報も調べられます。これもGoogleレンズ的。
お次はSpotlight。ユニバーサルサーチ機能で、写真内のテキストを検索対象に含めることができます。これは便利かも。
PhotosのMemories機能が刷新。ショートムービーにApple Musicの音源をINできます。 Memory Mixes機能を使えば自在に編集もできる!
次、ウォレットです。
ウォレットにこの秋、UWBキーが登場します。
まずBMWを皮切りに、家の鍵、会社やホテルのチェックイン、ディズニーランドのチケットもiPhoneできるようになるそうな。
ハイアットホテルも導入予定。へー。
デジタルID。空港の検疫もこれでOK。政府発行IDをスマホで管理できるってことですけど、これ、盗まれたときには悪夢だぁー...
天気は新デザイン。Android勢から買収したDarkSkyの知見が活きるか...?
マップ。アイコンの新しい色かわいいですね。
地図はインタラクティブグローブ、ナイトタイムモードが追加に。Google Earth的な。あと運転中はレーン変更、バス専用レーンまでわかります 。
これらの詳細なマップは米国、英国、アイルランド、カナダ、スペイン、ポルトガル、イタリア、オーストラリア...日本にはまだ来ないみたいです。
降りる駅が近づくと通知が出たり、 ビルをARでスキャンして、オフィスまでの行き方を教えたりもできます (Googleマップにも似た機能あります)。フィラデルフィア、サンフランシスコ、ロンドンなど一部都市でローンチ。
さ~て、お次はAirPods。といってもハードの話じゃないです。
やや難聴ぎみの人を支援する「カンバセーションブースト」。自分が向いている方向の音声を強調してくれます。周辺の環境音の強弱も調整できるみたいですね。
このスペーシャルオーディオ機能はこの秋、tvOSにも導入されます。ヘッドフォンをつけて部屋の中を歩き回ると、ダイナミック・ヘッドトラッキングで動きを追跡。M1 Macでも使えるみたいですよ
「通知の読み上げ」では買い物リストなんかの大事な用事を読んでくれます。
あとAirPods ProとAirPods MAXの置き忘れ警告機能が登場! これ助かる~
iPadOSの新機能はウィジェットから。
ウィジェットギャラリーもデカくなって、Find My Widgetも新登場。 Filesのウィジェット(本棚風)もありますね。
App LibraryもiPadのドックから使えるようになりました。アプリページはiPhoneみたいに並べ替えたりできます。
マルチタスキングも改善。
クイックノートが登場。画面のすみからスワイプするとすぐメモをとれるノートです。Mac OSでも使えます。
話す端から翻訳されるAuto Translate機能。これはiPad OS、iOSなどで使えます。
ボタンをタップしなくても、話し手と言語を自動検出して通訳してくれます。日本語も使えますよ!
iPad用コードが学べるAppleのSwift Playground。iPadでアプリを開発できます。 MacのXcodeでも動作するそう。完成したら直接App Storeに提出できちゃう。
次にプライバシーのお話。Appleの十八番ですね。App追跡の透明性確保の取り組みを再度説明しています。
Mailアプリではメール内のピクセル追跡をブロックできます 。
メールには1ドットサイズの画像が埋め込まれていて、これでメールを開けた時間やIPアドレスをトラッキングできるんですよね。いやー、よく考えられてますね!でもAppleならこれをブロック。
Safariインテリジェントトラッキング予防機能でもIPアドレスは非表示になります。
こういったプライバシーの設定には、Android 12みたいな「アプリプライバシーレポート」で確認できます。
Siri利用端末は月6億台。音声認識もオンデバイス。音声処理はすべてオンデバイスの初期設定だから、ネットにつながなくてもSiri、使えます(ついに!)
プライバシー面が強化されるほか、通信ラグがないのでSiriがシャキシャキ反応をかえしてくれるようになるそうです。これは早くきてほしい!
Apple IDに「アカウントリカバリー」機能登場。パスワードをど忘れした、ロックアウトされた、そんなときに家族など「信頼できる人」の助けを借りてログインできます。
「デジタル遺産」機能。自分が亡くなったとき、信頼できる人に自分のクラウドデータを渡せます。
iCloudの有料プランがiCloud+にリブランディング。プライバシーをサポートする機能が追加されます。
「プライベートリレー」機能はブラウジング時の通信を暗号化します。詳細はふせられていますが、VPNサービスみたいな感じ...?
「Hide My Email」はランダムなメールアドレスを生成する機能。
監視カメラに無制限でアクセス可能。ストレージ気にしなくていいのはうれしいですね 。
Health。iPhoneに新しい指標「Walking Steadiness」登場。モーションセンサで歩くスピード、歩幅、タイミングを計って、バランスがおかしいときに異常を検知してくれます 。
さまざまな健康データを記録し、それらを医師が使う電子カルテとして共有できるそうです。日本じゃまだ使えない機能かな...。
子ども、シニアといった気になる家族の健康をチェックできるHealth Sharing機能。
ひとり暮らしの実家の親の健康状況も本人が同意すれば遠くから見ることができます。「Appleからは一切見れません!」と力説 。
次、watchOS 8。
メンタルヘルス管理の「Reflect」はすごくタイムリーですね。
太極拳やピラティスなど、心を整えるメニューもワークアウトタイプに加わりました。
Fitness Plusの「アーティストスポットライト」ではレディーガガ、アリシア・キーズ、キース・アーバンもフィーチャー。
Apple Watchでは「写真」の文字盤が一番人気だそうです。知らなかった...
「写真」文字盤が新しく。デジタルクラウンをスクロールで顔を拡大。watch OS 8の新Photosアプリではメッセージやメールで直接写真をシェアできます。人物の輪郭を判断して、時刻が頭にかぶらないように表示されます。
そうそう、GIFも使えるよ!
ジェスチャーで文字をタイプできるようにもなります。これで文章全部を書くのはきびしいですが、音声入力の手直しならよさそうですね。
次はスマートホームですね。
3つのポイントは、簡単、一緒、プライバシー。「Better Together」はAndroidのタグラインだったりするけどw
Apple TVの新トリックあれこれ。番組の共有機能や、みんなで番組を見るときのための番組表「For All of You」が登場。だれかから番組や映画をシェアされると「~さんがシェアしました」と表示される機能も 。
HomePodをApple TVのスピーカーとして使えるようにもなります。
HomePodのロスレスオーディオのサポートは2021年後半になるそうです。
あ、あと、Siriはサードパーティー端末でも使えるそうで、Ecobee年内サポートが発表になりました 。
スマートホームの共通規格「matter」はiOS 15でサポート。インターホンにApple Watchで対応できるようになったり、Apple TVでセキュリティカメラをチェックできるようになったり。
macOS Monterey。今度はモントレーか!先週行ったぞ~
新機能「ユニバーサルコントロール」。iPadとMacを並べて置くと、ひとつのマウスとキーボードであら不思議。MacとiPadの間をカーソルが自在に行き来してますよ。え?なにこれ。
ファイルをMacからiPadにドロップ。逆もOK。3台以上並べてもOK。iMacからMacbook、iPadにカーソルが旅してます~~~
Mac入力端末はどのデバイスでも縦断的に使えるんだって。なんちゅードラッグ&ドロップや!
えーと、続きましてAirPlay。Macにも使えます。
iOSの「ショートカット」もMac版が登場。
タブとウィンドウの管理、シンプルなツールバー。タブはひとまとめにシェアできるほか、ipadに自動でシンクされるそう 。
Safariの拡張機能がiPadとiOSにも。
はい、デベロッパー向けテクノロジーのお時間。 新API、Swift新機能なんかの説明ですね。ふ~長い!
Object Captureという新API。iPhoneなどで歩きながら写真をいろいろ撮ると、ARオブジェを生成するアプリなど開発できます。
Appleのアプリ開発言語、Swiftも強化。よりシンプルな記述でコードが書けるようになります。
App Storeもアップデート。アプリの紹介ページを複数パターン作れます。たとえば、運動アプリをランナー向け、自転車乗り向けと複数用意できるんですね。
あとはアイコンも複数用意できたり、ゲームなどアプリ内のイベントをAppStoreでお知らせできるようになります。
コードをクラウドで同期して、チームでのアプリ作成をサポートする「Xcode Cloud」が登場。テスト環境の「Test Flight」がMacにも対応するようになります。
本日発表されたさまざまな機能は、秋にお披露目予定です。
ライブ更新は以上になります。おつかれさまでしたー!