Shureのヘッドフォンと言えば、ガシッとした剛のデザインという印象だ。AONIC 50もスタジオモニターの風格を感じさせるデザインだったが、AONIC 40は打って変わって非常に柔らかく滑らかな印象に仕上げている。
滑らかな印象を与えるデザインハウジングを支えるアーム部も柔らかい捻りのカーブで表現され、ハウジングの出っ張りも段差を意識させない突き出し方になっている。今回はホワイトモデルをお借りしているが、オフホワイトにベージュのクッション部という配色も綺麗で、実に絵になるヘッドフォンだ。
折りたたみ機構としては、多くのヘッドフォンと変わりはなく、捻って折りたたむというスタイル。だがAONIC 50は捻るだけで折りたたむことができなかったので、どうしても大きくなっていた。キャリングケースのサイズを見てもそのサイズ差は一目瞭然だ。ヘッドフォン自体のサイズはそれほど変わらないのだが、やはりこれぐらい小さくならないと、普段遣いのバッグには入れづらい。
キャリングケースの収まりもいいAONIC 50は内側に折りたためないケースサイズでこれだけの差がボタン類は、電源/BTペアリングボタンが左側で、あとはすべて右側。位置も外周部ではなく、内周部にある。AONIC 50のボタン類がすべて外周部右側にあったのに比べると、誤って電源を切ってしまうというトラブルもないだろう。
電源ボタン以外のボタン、端子類はすべて右側AONIC 50は外周部にボタンがあった端子類はアナログ入力と、充電ポートも兼ねるUSB-Cは右側外周部にまとめられた。AONIC 50はアナログ入力だけ左側にあり、従来のヘッドフォン同様の使い勝手だったが、AONIC 40は右側にまとめられたことで、ワイヤード接続は違和感がありそうだ。
イヤーパッドは厚みがあり、あまり凹まない“モチッ”とした感触が新しい。ヘッドバンド部のクッションもゴム製で、こちらもあまりない感触だ。AONIC 50は全体がオーソドックスなクッションレザーだったが、採用素材にも進化が見られるところである。
モチッとした感触のイヤーパッドハウジングは50のほうがやや大きい装着感は、AONIC 50がいかにもスタジオモニターから進化した、“ゆったりがっしり”なのにくらべ、AONIC 40はボディが約20g軽量化され、ハウジング内径も若干小さいこともあり、がっしり感が減って気軽に装着できる。ただクランプ圧はどちらもやや強めで、プロ仕様のヘッドフォンに近い。ハウジング内部は、耳に合わせての凹みがないので、装着すると耳たぶに接触する。
Bluetoothのコーデックは、SBC、AAC、aptX、aptX HD。AONIC 50はさらにaptX LLとLDACにも対応していたが、40は対応しない。このあたりが価格差なのかもしれない。
どちらもPCなどにUSB接続すると、USBオーディオ機器として使用できる。AONIC 50は384kHz/32bitでのハイレゾ伝送が可能だったが、AONIC 40では48kHz/16bit伝送に下がっている。その代わり、USBヘッドセットとして動作するようになった。ただしこの場合は、16kHz/16bit伝送まで下がる。
ノイズキャンセリングは、AONIC 50がアナログ方式だったのに対し、AONIC 40はデジタル方式になった。AONIC 50はあまりノイキャンが効かないという声も聞かれるところだが、方式が変わったことでそれがどうなったか、気になるところだ。
- | AONIC 40 | AONIC 50 |
ドライバ | 40mm | 50mm |
質量 | 313g | 334g |
コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX HD | SBC、AAC、aptX、aptX HDaptX LL、LDAC |
ANC | デジタル3段階 | アナログ2段階 |
USB接続 | 48kHz/16bit | 384kHz/32bit |
再生時間 | 連続25時間 | 連続20時間 |
急速充電 | 15分充電5時間動作 | 15分充電4時間動作 |