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天気予報で「雨が降る」当たる確率は85%…精度を高めるには? 気象予報士が解説 | J-WAVE NEWS

社会
気象予報士の佐藤圭一さんが1月22日(土)、藤原しおりと気象が及ぼす課題や取り組みをテーマに語った。 佐藤さんが登場したのは、藤原が「チーフ」としてナビゲートする、ラジオを「ラボ」に見立てたJ-WAVEの番組『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』通称トモラボ。「SDGs」「環境問題」などの社会問題を「私たちそれぞれの身近にある困りごと」にかみ砕き、未来を明るくするヒントを研究。知識やアイデア、行動力を持って人生を切り拓いてきた有識者をラボの仲間「フェロー」として迎えて、解決へのアクションへと結ぶ“ハブ”を目指す。

アナウンサーとして働きながら気象予報士に

佐藤さんは長野県出身。大学進学を機に上京し、卒業後はフリーアナウンサーとして活動。都内のケーブルテレビなどでリポーターやMCを担当したのち、活動の場を文化放送に移し、報道記者として活躍。2017年に気象予報士試験に合格。翌年からウェザーマップに所属。現在はテレビ朝日『スーパーJチャンネル(土曜日)』と気象デスクを兼務している。藤原:佐藤さんはそもそもアナウンサーをされたあとに気象予報士の資格を取ったわけですが、それはどんなきっかけがあったのですか?佐藤:私がアナウンサーとしてデビューした直後に東日本大震災があったんですね。そのとき、私の番組が先延ばしになることもあったんですけど、こんなに日本で大変なことが起こっているのに私は何も役に立てなかったんです。アナウンサーやリポーターの仕事をする以上、災害報道に対する意識はあったので、そういったときに役に立てる存在になりたいと思ったことがきっかけのひとつにあります。あとは天気予報って明るい話題も伝えられるじゃないですか。そういったところにも魅力を感じました。藤原:気象予報士の試験って合格率5パーセントですけど、何回くらい受けられたんですか?佐藤:私はアナウンサーの仕事をしながらだったので、5年以上勉強して。それは遅いほうですけどね。みなさんもっと早く受かってるんですけど、私はダラダラと勉強して最後に本気を出して受かった感じですね。藤原:でも5年間続けられるのは、思いがないとできないと思うので。佐藤:それは絶対必要だと思ったんですよね。佐藤さんは気象予報士の資格を取り、それが日々役立っていると語る。佐藤:自信を持って警戒を呼びかけることができることはとてもいいことでした。気象予報士の資格は独自の気象予報を提供してもいいという資格になります。なので今の危険度を伝えるのは誰がやってもいいんです。でも「この先に、ここが危険になる」といった見通しを伝えられることはやりがいがありますね。

気象予報の精度を高めるには?

藤原は「ダイヤモンド・オンライン」の記事を紹介。NHK『ニュースウオッチ9』で気象キャスターを務める気象予報士の斉田季実治さんによると、1970年前後にレーダー、アメダス、気象衛星という天気予報の三種の神器がそろったことで、天気予報の精度は拡大にあがり、今はより細かい観測データが得られるようになっているので、明日雨が降るかどうかなら85パーセントくらいは当たるとのこと。佐藤:いざ自分が気象業務について、天気予報ってこんなに外れるんだっていうのが率直な思いでした。藤原:へえ。佐藤:先ほどあった、85パーセントという数字は、(藤原)しおりさんは高いと見ますか、低いと見ますか?藤原:私は高いと思っています。佐藤:でも、85パーセントだとしたら、一週間に一度外れるんですよ。藤原:そっか。佐藤:一週間に一度、雨が降らないと言われたのに降ったら、けっこうイヤじゃないですか?藤原:そうですね。その日がとっても大事な日だとしたら。佐藤:そうですよね。気象予報をどうやって作っているかというと、コンピューター上に仮想の地球を作ってそこに観測データを打ち込んでいきます。そこから高速の計算を繰り返して未来に時間を進めて天気予報の発表になります。藤原:そんなことが行われているとは思ってもみなかったです!佐藤さんは気象予報をスーパーコンピュータに頼る部分は大きいが、普段気象予報士が使うそのモデルはひとつではないと続ける。佐藤:気象庁と海外のものを含めて、5つくらいあるんですね。そのコンピューターや予報モデルごとにバラバラな予報をしていることもけっこうあるんですよ。特に東京は影響が大きいので、「このモデルは東京に雨雲をかけてるけど、このモデルは全然かかってない。さあ、どうする」ってことがあるんです。藤原:そのときに何を採用するんですか?佐藤:それは経験がものを言う世界になってくるんです。藤原:最後は人間ですか(笑)。佐藤:そうです。「これが当たると思うからこれを選ぶ」というときもありますし、「どれ選んでも外れるから天気マークだけにして、雨の予想などは使わないでおこう」という判断をするときもあります。藤原:ええ!佐藤:意外と人の手が加わっていると思いません?藤原:思います(笑)。では85パーセントくらいは当たる予報を100パーセントにしていくには何が必要だと思いますか?佐藤:やはりコンピューターの性能の向上と観測データを増やすことが大切だと思います。そのためにはお金が必要になるのですが、気象庁の予算はこの20年でおよそ120億円減少しています。人の命に直結する省庁ですので、ここは国に力を入れて欲しいと強く思っています。

気圧で体調を崩す人も多いのに…低気圧はパワーアップしている

続いて藤原は「まいどなニュース」と「日本生命の健康コラム」の記事を抜粋して紹介。最近、よく耳にする気象病という言葉。気象病とは天気の変化によってもたらされる何らかの身体的・精神的な不調のこと。症状は大きく分けて2種類ある。ひとつは、めまい、吐き気、肩こり、イライラ、情緒不安定などのように突然発生する症状。もうひとつは偏頭痛、関節痛、古傷の痛みの再発のように、もともと持っていた持病が悪化して現れる症状。頭痛など特に痛みを伴うものを天気痛と呼ぶこともある。気象病のメカニズムは完全に解明されていないが、大気の気圧が大きく関係していて、珍しい症状ではなく人口のおよそ10パーセントの人が苦しんでいると言われている。藤原:気象病って私のまわりでもよく聞きますね。 佐藤:私たちの感覚でも、季節の変わり目になるとよく聞くような気がします。人間の体って思った以上に気象と関係していると最近分かってきました。藤原:侮れないってことですよね。佐藤:また春になると要注意です。低気圧や高気圧が入れ替わり立ち代わり近づいてくるので、気圧の変化も大きくなります。藤原:冬から春に変わる瞬間というよりは、春なんですか?佐藤:季節の変わり目の寒暖差というのもあるんですけど、春、秋は特に気象病の頭痛を訴える人が増えるような印象です。藤原:この番組で以前研究したことがあるんですけど、秋になると日照時間が変わってメンタルに影響があるとか、気候によってこんなに私たちのこころに影響があるんだって学びました。今回の気象病に関しても納得だなと思います。【関連記事】「寂しい」「いっぱい食べちゃう」を抑える、簡単な行動は? 脳科学者の中野信子が解説藤原:秋だけじゃなくて春も気をつけないといけないんですね。佐藤:春と秋は似ているところもあるんですけど、気温差もけっこう大きくなって朝と昼の気温差が10度とか20度くらいある日もあるんです。最近は特にいきなり暑くなったり、寒くなったりすることも多いですよね。あと低気圧もパワーアップしているので、もしかしたらそういったことで気象病の症状がより重く出ているのかもしれません。藤原:低気圧ってパワーアップしているんですか?佐藤:そうですね。発達した低気圧が近づくことも確かに増えています。これは海面水温の上昇が原因と言われています。藤原:温暖化で増えている感覚もあるんですね。佐藤:変化が大きいのと研究が進んできた両方の理由があると思います。J-WAVE『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』は毎週土曜20時から20時54分にオンエア。

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radikoで聴くこの記事の放送回をradikoで聴く2022年1月29日28時59分まで

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