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〝諦めの気持ち〟から投票したのは誰?「沈黙」に世論調査ができること 賛成でも反対でもない…声なき声

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名護市長選の開票作業=2022年1月23日、沖縄県名護市大南2丁目の「21世紀の森公園体育館」=朝日新聞

〝諦めの気持ち〟から投票したのは誰?「沈黙」に世論調査ができること 賛成でも反対でもない…声なき声

1月23日に投開票された沖縄県名護市長選で、自民、公明が推薦する現職が再選を果たしました。1996年に米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画が浮上してから、名護市長選ではこの問題に対する候補者の姿勢がいつも注目されてきました。ただ、現職の市長は基地移設について態度を明確にしてきませんでした。どのような理由で市民は現市長を選んだのでしょうか。朝日新聞が投開票日1週間前に実施した市民対象の世論調査から、気持ちを読み取っていきます。(朝日新聞記者・石本登志男)【写真】「沖縄でボコボコされてこい」と言われながら現代アーティストが手がけた作品

増える「地域振興策」重視

世論調査では、投票で最も重視することを4択で聞きました。「地域振興策」が50%と半数を占めて最多で、「普天間飛行場の移設問題」30%、「支援する政党や団体」9%、「経歴や実績」6%と続きました。前々回(2014年)、前回(18年)と比べても「地域振興策」の増え方が顕著で、前々回23%、前回39%と増加傾向が続く一方で、「移設問題」は、前々回56%、前回41%と減り続けました。この間、移設問題についての争点が市を二分する争点となる中、工事は着実に進み、国の姿勢は変わりませんでした。「地域振興策」を重視する人の多くは現職に投票すると答え、「移設問題」を重視する人の多くは反対派の候補に投票すると答えていましたが、市民にとって重視する点が徐々に変わったことが選挙結果に裏付けられていると見てよいのかもしれません。 ◇Q:市長選挙で投票する人を決める時、最も重視することは・・・今回=普天間飛行場の移設問題30%/地域振興策50%/経歴や実績6%/支援する政党や団体9%前回(18年)=普天間飛行場の移設問題41%/地域振興策39%/経歴や実績8%/支援する政党や団体5%前々回(14年)=普天間飛行場の移設問題56%/地域振興策23%/経歴や実績7%/支援する政党や団体3%※その他・答えないは省略。コンピューターで無作為に作成した固定電話の番号にかけるRDD方式で、名護市内の有権者を対象に調査した。今回は1月16、17日に実施、474人から回答を得た。回答率54%。18年は1月28、29日に実施し、673人から回答を得た。回答率47%。14年は1月12、13日に実施し、860人から回答を得た。回答率55%。名護市長選の結果(得票率)今回=自公系候補57%/移設反対派候補43%前回(18年)=自公系候補55%/移設反対派候補45%前々回(14年)=自民系候補44%/移設反対派候補56%※小数点以下は四捨五入

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