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2021年はゲーム画面をシールにして集める「スクショ・ステッカー」が来る Close IGN Logo Comments Comments Comments Comments

ゲームのスクリーンショットは思い出として溜まっていく。家庭用ゲーム機にも画面を撮影できるボタンが当たり前のように搭載され、読者のストレージにもたくさんのスクリーンショットが保存されているだろう。

しかしながら、スクリーンショットがたくさん溜まっても見返すのは稀なことだ。むしろ撮る行為に比べて見るほうの労力が大きい。大量のスクリーンショットを眼前に、どうすればいいのかとわれわれは悩むばかりである。

もちろん、スクリーンショットをうまく活用する方法はいろいろある。デジタルフォトフレームで表示したり、あるいは家庭用のプリンターで刷ってもいいのだろうが、面倒なのが正直なところである。そんなことを考えていたとき、とあるスマホ用のプリンターと出会った。

とにもかくにも、まずは「スクショ・ステッカー」の実例を見てもらおう。フォトモードがあるゲームはたいてい印刷向きである。『スプラトゥーン2』はamiiboと撮影した画面がぴったりだし、あるいはフェスで10倍マッチに勝利したときのスクリーンショットもよい。『スーパーマリオ オデッセイ』もマリオがさまざまな衣装でいろいろな場所を冒険するため絵になる。

『あつまれ どうぶつの森』で誕生日を祝ってもらった場面を集め、コラージュで一枚にまとめるなんてことも可能だ。まとめれば印刷枚数を抑えられるうえ、適当にやってもそれらしいデザインになる。もともと季節の移り変わりがあるゲームのため、どこを切り取っても映えるのだ。

同じゲームでなかったとしても、似たような場面を並べてみるのもおもしろい。なぜか仲がいいことにされているドゥームガイとしずえも自由にコラボレーションできる。

最近のゲームであれば『サイバーパンク2077』も向いている。ジョニー・シルヴァーハンドの魅力を引き出してもいいし、股間火吹きマンをコミカルに印刷してもいい。

驚いたのは、今回の印刷方法ではレトロゲームとの相性が非常にいいということ。もともとの解像度が低いので印刷には不向きかと思ったが、明るい色合いが目立つうえにキャラクターや背景の物体もアイコニックなので、用紙に刷っても問題ないどころか向いているのである。

さて、今回スクリーンショットを印刷するうえで使用したのはCanonのフォトプリンター「iNSPiC」である。もともと手帳をカスタマイズするような界隈で人気の製品で、写真を手軽にシールとして刷れるのが特徴だ。本体の販売価格は、税別で1万2000円~1万4000円程度。

iNSPiCの専用紙は、別途インクを使わずに印刷できる「ZINKフォトペーパー」(ざっくりいうとフルカラーの感熱紙)。裏面がシールになっているため、好きな写真を刷ったらあとは切るなり貼るなりするだけという手軽なものになっている。これをゲームのスクリーンショットで利用し、スクショ・ステッカーを作り出しているわけだ。

専用アプリ「Canon Mini Print」を使えば、画像のコラージュや装飾も可能になっている。とはいえ画像加工は本当に簡素なものなので、本格的にいじりたければ画像編集ソフトで事前に調整しておくのがベターであろう。この方法で印刷する最大のメリットは、とにかく手軽だということ。

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iNSPiCとスマホはBluetoothで接続する簡単仕様で、あとは印刷したいスクリーンショットをスマホに入れて選ぶだけ。印刷の状態は完璧ではないが、それゆえに解像度が低い画像でもなんとかなってしまうのが嬉しい。たくさんあるスクリーンショットのなかから、欲しいものだけを物体にできるわけだ。

もちろんデメリットもある。まずiNSPiCで印刷する画像には向き不向きがあり、白など一部のカラーが出づらいケースがある。体感的には濃い色の画像は綺麗だが、淡い色は向いていない。用紙サイズは名刺より一回り小さいもの(76×50mm)なので、アスペクト比が16:9のスクリーンショットはそのまま刷ると見切れてしまう。専用紙の値段も決して安くなく、1枚で約40円となる。

iNSPiCを選ぶ場合はやはり、手軽さとシールにできるところがポイントだろう。ただ印刷しただけだと飾る場所に困るが、シールにすれば貼ることができ、これがスクリーンショットを飾るうえでとても役立つのだ。

スクリーンショットをスマホへ移動させるのも意外と簡単だ。Nintendo Switchの場合、本体更新でスクリーンショットを「スマートフォンへ送る」機能が追加された。具体的には移動させたいスクリーンショットを選び、画面に表示されるQRコードをスマホで2回読み取るだけ。あとはスマホ側で画像を表示したあと保存すればいい。

Xboxの場合、キャプチャーしたものはXbox LIVEにアップロードされる仕様になっている。そのため、スマホ向けのXboxアプリを導入してアカウントを紐付ければ撮ったものが自動で表示されるのだ。もちろんこのアプリからスクリーンショットを保存できる。

一方で、やや扱いづらいのがPS4だ(筆者はPS5を買えていないので、今回はあくまでPS4の解説のみを行う)。一番簡単なのはスクリーンショットをUSBストレージにコピーして、PCに入れてからスマホに転送するという方法だ。しかし、これはPCがないとできない。

PS4とスマホのみでスクリーンショットを転送する場合、まずPS4側で誰かとパーティーを組む(できれば自分のアカウント同士でやるといい)。するとプライベートのチャットでスクリーンショットを送れるようになるので、ここで転送したいものを貼り付ける。

その後、スマホのPS Appを導入してアカウントを紐付けし、パーティー画面を開く。すると、さきほどチャットで送付したスクリーンショットがスマホでも見られるようになるので、ここから保存するという手法になる。これ以外だと、一度SNSに投稿してからDLするような方法になる。

PCからスマホに移動させる場合は、iCloudやGoogleフォトといったクラウドサービスを利用すると手軽であろう。もちろん、PCとスマホをUSBケーブルで接続して直接入れてもいい。

ほかの製品をうまく活用すればスクショ・ステッカーはさらに楽しくなる。今回は蛇腹状にページが開けるフォトノートブックを利用して、『あつまれ どうぶつの森』の思い出をスクショ・ステッカーにして記録した。

このフォトノートブックは12ページあり、1年(12ヶ月)の記録を残せるようになっている。まさしく季節感がある『あつまれ どうぶつの森』にぴったり。貼り付けたいスクリーンショットが多い場合、複数枚をコラージュしてイベントごとなどでまとめた。1ヶ月1ページのペースで貼り付けているため、全ページ埋まれば本作における1年間の思い出が1冊に収まるわけだ。

おもしろいのは、これを人に見せると盛り上がることである。妻と一緒に眺めていると「花火大会であんなことがあったね」と思い出話に花が咲いたり、あるいは「これ、落とし穴に落ちてるけどどうしたの? あ、うんこみたいな帽子をかぶってる人にやられたのか……」などと、妙な会話が発生する。スクリーンショットを印刷したからこそ、こういう楽しみ方ができるわけだ。

また、そのほかのスクショ・ステッカーに関してはシール帳を用意している。とはいえ、実態は「どうぶつの森」のリングノートに適当に貼り付けているだけなのだが、それでも数が揃ってくるとそれなりに見えてくるものだ。

このほかにも自由にゲーム画面をステッカーにできるわけで、アイデアがあればそれだけ可能性が広がる。どんなマイナーな作品でも自分でシールを作れるし、キャラクターがアップになったものをノートパソコンなどに貼ったり、あるいはマルチプレイの思い出を印刷して友達に渡したり、対戦ゲームの記念すべき戦績を賞状のように貼り付けるのもありだろう。あとから見返せば、どれも立派な思い出だ。

スクリーンショットを撮るのは楽しいが、そのあとはSNSなどに放流して終わりということが多かった。しかしiNSPiCがあるとモノとして残すのが容易だし、貼りつけることまで考えると撮影するのがさらに楽しくなる。スクリーンショットに必要なものは、撮ったあとの可能性だったのではないか。そう思うくらい、スクショ・ステッカーを貼り付けるのはおもしろい。


渡邉卓也(@SSSSSDM)はフリーランスのゲームライター。今回作ったスクショ・ステッカーでは、『キョロちゃんランド』のものがあまりによくできすぎていて笑ってしまった。